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インプラント治療におけるガイデッドサージェリーの種類とその特徴について
ガイデッドサージェリーとは、インプラント治療の精度を高め、安全性を向上させるために用いられる技術で、テンプレート式とナビゲーション式の2つの方法があり、当院ではこれら両方の治療方法でインプラント治療を行うことができます。
これらはそれぞれ異なる技術的アプローチを採用しており、用途や適応症例が異なります。以下では、それぞれの特徴と利点、課題について詳しく解説します。
1. テンプレート式(Template-Based Guided Surgery)
特徴
テンプレート式は、術前に作成された手術用テンプレート(ガイド)を用いて、インプラント埋入位置や角度をサポートする方法です。このテンプレートは、患者様のCTスキャンデータをもとに専用のソフトウェアで設計され、3Dプリンターなどで作成されます。
手術の流れ
CTスキャンで患者様の顎骨の形状や神経・血管の位置を把握。
ソフトウェアでインプラント埋入計画を立案。
計画に基づいてテンプレートを作成。
手術時にテンプレートを患者様の口腔内に装着し、それに沿ってドリルやインプラントを操作。
利点
高い精度: 計画段階で詳細な設計が行われるため、埋入位置や角度の誤差が少ない。
コストパフォーマンス: ナビゲーション式に比べ、設備投資や術中システムが必要ないため導入コストが低い。
短時間での手術: テンプレートに従って進められるため、手術が効率的に行える。
幅広い適用性: 単純な症例から複雑な症例まで対応可能。
課題
柔軟性の制限: 手術中に予定外の状況が発生した場合、テンプレートに頼った手法では即時対応が難しい。
テンプレート作成の手間: 高品質なテンプレートを作成するために、術前の詳細な診断と計画が必要。
適合性の問題: テンプレートが患者様の口腔内に正確に装着されない場合、精度が低下するリスクがある。
適応症例
骨の状態が安定しており、計画通りに進められる可能性が高い症例。
インプラントの埋入本数が少ない場合や、単純な解剖学的条件の患者。
2. ナビゲーション式(Navigation-Based Guided Surgery)
特徴
ナビゲーション式は、リアルタイムでのコンピュータガイドを利用して手術を行う方法です。CTスキャンやCAD/CAM技術と連携し、術中にインプラント器具の位置や動きをモニタリングしながら手術を進行します。
手術の流れ
術前にCTスキャンで患者様の顎骨の構造を把握。
ナビゲーションシステムに計画データを入力。
手術中にコンピュータ画面で器具の位置や動きをリアルタイムで確認しながら操作。
利点
高い柔軟性: 術中に予定外の状況が発生しても、リアルタイムで調整が可能。
精密性: 骨や神経の位置を確認しながら手術を進めるため、解剖学的リスクを最小限に抑えられる。
複雑な症例への対応: 上顎洞付近や神経管近くのリスクが高い症例でも安全に手術可能。
ガイドが不要: 実物のテンプレートが不要なため、事前の型取りが不要。
課題
高い導入コスト: ナビゲーションシステムの購入やメンテナンス費用が高額。
手術時間の延長: ナビゲーションシステムの設定や操作が手術時間を延長する場合がある。
技術習得の難易度: システムの操作や計画設計に関する専門知識が必要。
設備依存性: システムの不具合が発生した場合、代替手段が限られる。
適応症例
解剖学的条件が複雑で、精度が特に求められる症例。
上顎洞リフトが必要な症例や、神経管の近くにインプラントを埋入する必要がある患者様。
まとめ
テンプレート式とナビゲーション式は、いずれもガイデッドサージェリーの手法として重要ですが、各手法には明確な特徴があります。テンプレート式は、計画通りに手術を進めやすく、比較的コストが低い点が魅力です。一方、ナビゲーション式は柔軟性と精密性が高く、特に複雑な症例での優位性があります。患者様の状態や治療目標に応じて、最適な手法を選択することが成功の鍵となります。
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